花崗岩の風化


花崗岩って?・・・
花崗岩は火成岩の一種で、マグマが地下深くでゆっくり冷えてできる深成岩の中の1つです。 主な成分は、石英、アルカリ長石(正長石―微斜長石)、斜長石(灰曹長石―中性長石)、黒雲母で、 この花崗岩に含まれる鉱物によって、ピンク色〜白色までのさまざまな色のものを見ることができます。 日本でよく見られる花崗岩は、アルカリ長石と斜長石の量がほぼ等しいものです。
また、花崗岩は風化の影響を受けやすい岩石です。風化作用には2種類あり、一般に機械的に砕片化する物理的風化と、変質して粘土鉱物類を生成する化学的風化です。
このページでは、花崗岩の風化について紹介していきます。

〜花崗岩の風化の連続性〜
 花崗岩は下の画像の順番のように、花崗岩Aから土壌の順に風化していきます。
花崗岩A
風化作用の影響を全くまたはほとんど受けていない花崗岩。図の中央の白い部分。
花崗岩B
黒雲母の周辺に鉄さび色のくまが生じている花崗岩。ハンマーで軽く叩いたくらいでは割れない。花崗岩Aとは漸移する。
風化花崗岩A
長石は白濁し、岩盤としての組織を残している。ハンマーで軽打してもくいこまず、軟かい部分は砂状になるが、硬い部分は10cm程度の岩塊となる。花崗岩Bとは漸移する。
風化花崗岩B
長石は指頭で粉砕できるほど風化し、岩石全体としてもかなり風化しているが、一様な風化ではない。粘土分はほとんどなく、ハンマーで軽く叩くと砂状となり、岩塊とはならない。風化花崗岩Aとは漸移する。
マサA
全体が一様に風化し砂状を呈する。粘土部分はマサBに比べて少なく、軽く手で握ってもかたまりとならない。風化花崗岩Bとの境ははっきりしている。
マサB
全体が一様に風化し砂状を呈する。長石、黒雲母はかなり粘土化しているので、軽く手で握るとかたまりとなる。マサAとの境ははっきりしている。
土壌
露頭最上部に存在し草や木の根が密集している。有機物が混ざり腐葉土が増して黒っぽく見える。



〜花崗岩の風化によってできる特徴〜
 ここでは、花崗岩の風化によってできる構造のいくつかを紹介します。
節理
岩石の割れ目のこと。
コア
周りが風化され、取り残された岩石のかたまり。図は花崗岩のコアです。



終わり

地質の部屋TOPへ